春になったら

ーあんな約束なんてきっと君は忘れてるよね。

 

ーこのまま離れちゃうのかな。

 

 

 

今からほぼ一年前に、

 

白河みずなちゃんに出会った。

 

正確に言うと、さらに数か月前に

 

偶然友人に誘われたオーディションで

 

あの子がグランプリに輝く姿を

 

見ていたのだけれど。

 

その時は、「かわいい子だな」

 

という感想しか持てなかったのを覚えている。

 

(運命的ではないから

あまり大きな声で言いたくないけど)

 

 

僕は、真面目で不器用にでも

 

頑張れる子を応援したくなる性で、

 

その子が報われていないほど

 

熱くなってしまう気がする。

 

だから、グランプリに選ばれて、

 

マイクを向けられて、

 

何一つとして言葉を発せなかった

 

グランプリの女の子に

 

惹かれることはなかった。

 

 

そうした本当の出会いから数か月後の、

 

今から一年前の朗読劇で

 

白河みずなちゃんに出会った。

 

事前情報もなかったけど、

 

出てきた瞬間に分かった。

 

間近で声をしっかり聴いて、

 

少しだけ懐かしく感じたのを覚えている。

 

朝、先輩よりも早く来て、

 

入りの先輩たちに表で挨拶をしていたのは

 

とても微笑ましかった。

 

ちゃんとその場を離れたから安心して。

 

うん。これは内緒だけれど。

 

この時もまだ、わずかに気にはなったものの、

 

次も見たいか、と言われると

 

まあ機会が向こうから巡ってくれば、

 

という程度にしか心が動いていなかった。

 

そして、本当に何の気なしに観に行った

 

4月の丸善で、

 

初めて歌うあの子を見て、

 

惚れた。

 

歌声はもちろん、歌の表情が豊かで、

 

観に行くたびに濃くなっている、

 

前よりどんどん豊かに

 

なっているのがわかって、

 

何より、聴いていて『楽しかった』

 

毎回通ってしまうくらいに。

 

正直、歌の技術は

 

突飛なことでもなければわからない。

 

ほとんどの子が、

 

はじめからそれなりに巧いから。

 

みずなちゃんのイメージと反して、

 

歌う姿から漏れる笑顔には

 

魔性ともいえるほどの魅力があった。

 

おとなしそうなのに、

 

歌うとこんなに楽しくさせてくれるんだ。

 

ギャップだと、

 

そう思っていた。

 

 

でも

 

そこから何度か見ていく中でわかったのが、

 

みずなちゃんは極度の緊張しいだということ。

 

歌の時は、あんなにいい顔をするのに、

 

自由に話してごらん、となると

 

途端に顔を伏せて、目線を端にやる。

 

困ったら後ろを向いてしまう。

 

そういうのが好きな客も

 

いるかもしれないけど、

 

これじゃあだめだよなと、

 

観に行くたびに思わされていた。

 

でも、彼女自身、

 

苦手意識も問題意識もあるみたいで、

 

治そう、良くしよう

 

という姿勢を見せてくれていて、

 

気持ち悪いおじさんが目の前にいるというのに

 

必死で言葉を放って、

 

少しずつ殻を破ろうとしているように見える。

 

こういうところを擽られてしまったのか、

 

自分のタイプとは

 

だいぶ離れた子を応援してしまっている。

 

ゆっくりでいいから殻を破ってほしい。

 

笑顔で自分を表現できる役者になってほしい。

 

もっと素敵な歌声を聞かせてほしい。

 

期待しすぎると、

 

困らせちゃうなと思ったので、

 

メモ書き程度に残しておきます。

 

僕がいるからしゃべれなくなるっていうのは、

 

冗談きついのでやめてください。

 

というわけで、夢中になった話でした。

 

 

(あの子の歌を聞いたことないオタク、

   言ってくれ。

 

 連れて行くから。)

 

 

 

そして目に入っちゃったらごめんね。

 

でも、頑張ってほしいって思っています。

 

 

 

白河みずなちゃん。

 

次に会えるのがすっごい楽しみな女の子。

 

 

 

 

ー笑顔で会いたいね。

 

ー私の気持ちまだ言えなくて